はじめに
最近よく見かける「MaaS」という言葉について、皆さんは意味をご存知でしょうか。
何らかの言葉の頭文字を繋げた略称なんだろうなーというのは何となく察しますよね笑
実はこの「MaaS」こそ、地球温暖化の防止、ひいてはカーボンニュートラル実現に向けて大きなカギとなりうるものであり、わたしたち国民にとっても身近なものとなります。
本記事ではそんな「MaaS」について、優しく簡潔に解説したいと思います。
「MaaS」とは
「MaaS」とは、「Mobility as a Service」の略称であり、「マース」と読みます。直訳すると「サービスとしての交通手段」という意味です。
具体には、わたしたち個々の移動ニーズに対して、複数の公共交通機関やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスのことであり、移動の目的地(外食、通院、観光等)における交通以外のサービスとの連携により、移動の利便性向上やコンパクトで無駄のない交通手段の活用による温室効果ガスの削減に繋がる重要なものです。
もう少し嚙み砕いてわたしたち目線で表現すると、今やだれもが持っているスマートフォンで目的地に行くための電車やバス等の最適な移動手段を検索すると、ルートや交通手段を案内してくれるだけでなく、予約や決済もスマートフォン上で完結し、スムーズな移動を可能にしてくれるサービスです。
そうです、こういったサービスはすでに普及してきていますよね。もしかすると、みなさんの中にもすでに使っている人もいるかもしれません。
「MaaS」の具体例
それでは実際にどういったサービス(MaaS)が日本にあるのか、ご紹介します。
みなさんの日常生活に大きく関わるサービスなので、知っておいて損はありません。
1.my route
「my route」はトヨタファイナンシャルサービス株式会社が運営している国内最大級のMaaSアプリです。
アプリの説明
「my route(マイルート)」は、「もっと移動したくなる環境づくりを通じて、すべての人の移動の自由と、ずっと賑わう街づくりに貢献したい」という想いが込められた、マルチモーダルモビリティサービスです。人が「移動したい」ときに必要となる「あらゆる移動手段の検索」と「予約・決済」サービスの提供で、「よりシームレスな移動」を実現。さらには地域のイベントスポット情報の提供などを通じて、移動したいきっかけを作り、街の活性化への貢献も目指しています。
「my route」は2023年2月にフルモデルチェンジを実施し、新たに「おでかけメモ」、「myステーション」といった新機能を追加し、より一層ユーザー目線で使いやすいサービスへと改良されています。
日常の通学・通勤ルートのバスや電車の運行状況の確認や行きたいイベントや観光地への交通手段の確認&事前決済等に非常に便利ですので、ぜひ一度使ってみてください。
2.tabiwa by WESTER
「tabiwa by WESTER」は西日本旅客鉄道株式会社が運営している瀬戸内エリアと北陸エリアでの観光に役立つMaaSアプリです。
アプリの説明
旅先のスポット情報、経路検索、鉄道・バスなどが乗り放題の周遊パスや
観光・グルメのチケット購入など、旅に必要なサービスが詰まった観光ナビです。
旅はtabiwaにまかせてスマホ1つで旅に出よう。
「tabiwa by WESTER」さえあれば、事前の観光スポットの検索、旅行スケジュールの計画、金額的にお得な周遊パスの電子購入、旅行中のおすすめのグルメ、お店等の検索といった旅行に関わるほぼすべての作業が一元的に対応可能です。
地域が北陸、瀬戸内エリア限定という点はあるものの、お得かつまとめて一つのアプリで旅行計画を立てられるのはありがたいですね。
3.omio
「omio(オミオ)」は、ヨーロッパの鉄道、航空機、バス、フェリーをまとめて経路検索できるMaaSアプリです。検索した各交通手段のチケットを予約・決済することができます。
アプリの説明
Omioは、旅行に対してユニークなアプローチを行っています。Omioの先進的なプラットフォームを利用すれば、ヨーロッパの何千もの都市、街、村へ向かう、電車、バス、飛行機などの様々な交通手段の中から最速、最安、最高の旅の選択肢を見つけられます。その結果、お金と時間も節約することができます。
海外のMaaSアプリであるため、日本語の表現が一部違和感を覚えるところはありますが、ヨーロッパ旅行をする際によりローカルでコスパが良い交通手段を利用できることは大きなメリットになると思います。
定期的に割引クーポンも出ているようなので、日頃からチェックしておくと良いことがあるかもしれません。
4.NAVITIME Travel
「NAVITIME Travel」は、ルート検索サイトで有名なNAVITIMEが手掛ける旅行サポートMaaSアプリです。飛行機、新幹線等の移動手段だけでなく、ホテルやレンタカー、さらにはアクティビティまで予約できます。まさにMaaSを体現しているアプリと言えます。
アプリの説明
身近なおでかけ情報収集や旅行計画表の作成までを簡単に行うことができるおでかけサポートアプリです。
たくさんの観光ガイドやモデルコースも用意しているので、旅行に行きたいけどどこに行くか決められない人におすすめ!
40以上の連携メディアから厳選したおでかけ情報を毎日お届けします。
行きたい場所を登録すると、自動的にルートや時間、料金を検索して簡単に旅行スケジュールを作成することができます。
航空券・新幹線・ホテル・レンタカー・シェアサイクル・アクティビティまで様々な予約もこのサービス一つでできます。
おでかけ前の計画だけでなく、おでかけ中に近くのカフェを探すなど様々なシーンでご利用いただけます。
日本の企業が運営していることもあり、安定と信頼のおけるサービスとなっており、日本人の使いやすさに合わせた工夫をされていることが特徴です。また、観光、自然体験、グルメ、ショッピング、レジャー等の旅行の目的別に特集された記事も毎日配信されており、季節やイベントに合わせたプランニングが可能です。
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MaaSに今後期待すること
株式会社mellow作成
さて、MaaSアプリについて、いくつか具体例をご紹介してきましたが、やはりまだまだ日本において普及しているとは言えない現状があると思います。
その要因としては、以下のようなことが挙げられると思います。
ポイント
・決算方法の多様性が低い、提携していない交通手段がある等かゆいところに手が届いていない
・スマホでGoogleマップ等の地図を見ながら、ルート検索もするのは手間がかかる
・乗り換えや搭乗口等の実際行ったときに不安になる部分を解消できていない
今後、MaaSが普及し、移動の利便性向上やコンパクトで無駄のない交通手段の活用による温室効果ガスの削減につなげていくために、現行MaaSが進化・改良されるべき点を紹介します。
a. 地図アプリとの連動
既存の地図アプリ等の連携により、同画面上または簡易な切り替えで地図を表示できる仕様に変えることで、ユーザーの利便性を向上し、現在地の確認や計画の軌道修正等を柔軟に対応できるとより使いやすくなるでしょう。
b. 決済方法の多様化
クレジット決済だけでなく、電子マネーや交通ICカード等での決済が可能になると、より幅広いユーザーが気軽に利用できるようになると思います。また、楽天ポイントやPontaポイント等の各ポイントも決済時に利用できるようになるとなお良いでしょう。
c. 駅構内図や空港ターミナル図等の表示
目的地や乗り換え自体は分かったとしても、実際の降車位置や搭乗口の配置等、所要時間や距離が分かりづらく、不安な気持ちにさせる要素が残っていると嫌ですよね。そのため、MaaSアプリ内にも駅構内図や空港ターミナル図等を表示できるようにし、現在地や到着地位を事前あるいはリアルタイムに把握できるようになれば、利便性は大きく向上するでしょう。
d. AIによる各人の目的に合わせたおすすめプランの提案
観光やグルメ等の目的に合わせ、AIが各人の趣味趣向を分析し、自動でおすすめの観光プランや旅行先の提案などを行ってくれる機能があると、漠然としたニーズに対しても最適解を導き出せると思います。例えば小さいお子様連れの家族であれば、個室のあるレストランや遊具のあるホテル等を自動で提案し、適切な交通手段と行き先まで案内してくれて、旅行計画のサポートをしてくれるとユーザーフレンドリーなアプリとなるかと思います。
さいごに
いかがでしたでしょうか。MaaSという言葉の意味、そしてそのMaaSが普及することにより、わたしたちに大きなメリットや効果があることが少しは伝わったかなと思います。
日々進化していくこの世界に生きるわたしたちにも、ゼロカーボン社会の実現を目指した真剣な取り組みが求められています。
できることからコツコツと頑張っていきましょう。